就活生・インターン向け相談窓口の作り方— OB訪問・リクルーター対応の勘所
公開: 2026年8月1日
就活ハラスメント対策で求められる相談窓口は、相談者が自社の従業員ではなく社外の求職者・インターンシップ生等である点で、社内向けの相談窓口とは設計のポイントが異なります。
OB訪問・リクルーター対応・面接など、接点の相手が多様であることも特徴です。
本記事では、就活生・インターン向け相談窓口の作り方と、社内向け窓口との違いを整理します。
1. 社内向け窓口との違い
1-1. アクセス経路の違い
社内ネットワークやイントラではなく、採用ページ・募集要項・説明会資料など、社外の相手が見る場所に案内が必要です。
応募前から相談できる導線を設けることが、就活生の安心につながります。
QRコード・専用メール・外部相談窓口など、複数の経路を検討します。
外部窓口の選び方は外部相談窓口の選び方も参照してください。
1-2. 継続関係がないことへの配慮
相談後に不利益取扱い(選考落ち)が起きていないか、相談者側から見えづらい構造があります。
「相談による選考上の不利益はない」旨を、窓口案内と同じ場所に明記します。
相談を受け付けた部署と、選考を行う部署の利益相反を避ける設計が重要です。
選考に関与しない人物・部署が相談を受けられる体制を検討します。
1-3. 接点の相手が多様であること
リクルーター・OB/OG訪問対応者・面接官・インターン先の指導者など、会社の管理が及びにくい人物が窓口周知の対象に含まれます。
これらの関係者への事前周知が、予防の鍵になります。
OB/OG訪問の受付を仲介する社内担当者への周知も忘れずに行います。
社外の関係者には、社内マニュアルと同レベルの周知が難しい点を認識します。
2. 周知すべき場所
2-1. 採用ページ・求人票
応募前から見える場所に、相談窓口の案内を掲載します。
就活ハラスメントの定義と、相談のハードルを下げる文言を併記します。
説明会・エントリーシート提出後の案内資料にも、同じ案内を載せます。
インターンシップのオリエンテーション資料にも反映します。
2-2. 説明会・面接時の口頭案内
会社説明会の冒頭や、面接の最後に、相談窓口の存在を短く案内します。
「困ったことがあれば、この窓口に連絡できます」と伝えるだけでも効果があります。
スライド1枚にまとめた案内資料を、全説明会で使用します。
リクルーター・面接官にも、案内するよう事前周知します。
2-3. OB/OG訪問の仲介担当への周知
OB/OG訪問の受付を仲介する社内担当者に、相談窓口の案内方法を共有します。
学生からOB/OG経由で相談が来た場合の受付フローも決めておきます。
OB/OG本人への周知は、社外関係者向けの簡易マニュアルで対応します。
何が就活ハラに当たり得るかの最低限の共有も行います。
3. 社内側でやっておくこと
3-1. リクルーター・面接官への事前周知
何が就活ハラに当たり得るかを、リクルーター・面接官・OB/OG訪問対応者に共有します。
個人情報の過剰な質問、選考と無関係な要求など、典型例を事例で学びます。
各ハラスメントの違いはパワハラ・セクハラ・マタハラの違いも参照してください。
就活ハラは、社内ハラスメントとは対象者・場面が異なる点を理解します。
3-2. 相談受付から記録までのフロー
相談を受けた場合の受付、事実確認、選考部門との分離、記録、再発防止までの社内フローを整備します。
記録の型は記録すべき9項目を参考にしてください。
相談者の個人情報・プライバシーに最大限配慮した管理を行います。
相談内容が選考に不当に影響しないよう、情報の取り扱いルールを明文化します。
3-3. 選考との利益相反回避
選考に関与しない人物が相談を受け付けられる体制を設計します。
人事部内でも、採用担当と相談受付担当を分ける運用が有効です。
相談実績の集計は、個人を特定できない形で行い、再発防止に活用します。
経営層への報告ラインも、プライバシーに配慮して設計します。
4. カスハラ対策との関係
4-1. 社内向け窓口との併設
2026年10月のカスハラ対策義務化では、従業員向けの相談窓口が中心です。
就活生向け窓口は別設計ですが、人事・広報が連携して整合を取ります。
方針文書は方針文書を参照してください。
採用ブランドと、従業員保護の両方の観点で窓口を位置づけます。
4-2. インターン・アルバイトの位置づけ
インターンシップ生は、雇用関係の有無によって社内窓口の適用が異なる場合があります。
インターン向けの案内を、雇用形態ごとに整理します。
アルバイト向け周知はアルバイト・パート向け教育も参考にしてください。
契約形態に応じた窓口案内の出し分けを検討します。
4-3. 記録と再発防止
就活ハラの相談件数・内容傾向を集計し、説明会・面接プロセスの改善に活かします。
個人を特定できる形での選考への反映は避けます。
研修実施は研修実施も参照してください。
OB/OG・リクルーター向けの再研修も、再発防止の一環です。
5. 想定シナリオとチェックリスト
5-1. 想定シナリオ:面接後の個人情報質問への相談
面接官から選考と無関係な個人情報を繰り返し質問された学生が、相談窓口に連絡した場面を想定します。
選考担当とは別部署が受付し、事実確認後に再発防止研修を実施しました。
窓口案内が採用ページにあったことで、早期相談につながった事例です。
相談による選考不利益がない旨の明記が、ハードル低下に寄与します。
5-2. 設計時のチェックリスト
採用ページ・説明会・インターン資料に案内があるか。
選考と相談受付の利益相反を避けているか。
リクルーター・面接官・OB/OG仲介担当に周知したか。
受付から記録・再発防止までのフローが文書化されているか。
5-3. 2026年10月義務化との整理
カスハラ対策の社内窓口と、就活ハラの社外窓口は目的が異なりますが、人事部門が両方を統括する場合は連携が重要です。
採用活動におけるハラスメント防止は、採用ブランドにも直結します。
専門家への相談が必要な場面では、早めに検討します。
窓口の設計・個別事案への対応は、弁護士・社労士等に確認してください。
6. よくある質問
Q. 社内のハラスメント窓口と同じでよいですか
就活生向けは、社外からアクセスできる経路と、選考との利益相反回避が必要です。
別設計を検討してください。
Q. 相談したら選考に影響しませんか
「相談による選考上の不利益はない」旨を、窓口案内と同じ場所に明記します。
選考部門と相談受付を分離します。
Q. OB/OG訪問にも周知が必要ですか
OB/OG訪問の仲介担当への周知と、学生向け案内の掲載を行います。
社外関係者への完全な統制は難しいため、受付フローを整備します。
Q. どこに窓口を掲示すればよいですか
採用ページ・求人票・説明会資料・インターンオリエンテーションなど、応募前から見える場所に掲載します。
説明会での口頭案内も併用します。
Q. 記録はどこまで残しますか
再発防止のため集計しますが、個人を特定できる形で選考に反映しないルールを明文化します。
記録の型は記録すべき9項目を参考にしてください。
7. まとめ
- 社外からアクセスできる経路が必須
- 選考と相談受付の利益相反を避ける
- 採用ページ・説明会・インターン資料に周知
- リクルーター・面接官・OB/OG仲介にも事前共有
- 相談による選考不利益なしを明記
関連記事: パワハラ・セクハラ・マタハラの違い / 外部相談窓口の選び方 / 記録すべき9項目
8. 注意
本記事は一般的な対応の考え方の例示であり、法的助言ではありません。
窓口の設計・個別事案への対応は、弁護士・社労士等の専門家にご確認ください。
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